パソコンに向かってる先生。りりりりと音が鳴る。先生の右手首から透明の板が跳びはねるように出て来て、リンが映る。
「氷山先生ー、今、暇?」
「リンさん……。まあ、暇ですけども。」
少し呆れたような顔の先生。
「良かったー。ね、今日の宿題で分からない所があるから教えて-。」
「宿題は自分でやりなさい。僕が教えてしまったら、意味がないでしょう。」
「答えを教えて貰うわけじゃないからいいじゃん。授業の続き……みたいな?」
「仕方ないですね……。どこが分からないんですか?」
暗転する。
「やったー、助かったよ。氷山先生、有難う。」
「宿題忘れの常習犯なリンさんにしては珍しいですね。何かあったんですか?」
「遊びに行こうとしたらさ、レンの奴が、宿題済ましてからにしろって煩くて。俺が先生に怒られるんだとか。」
「レン君は君と違って真面目ですから、君から言ってほしいってお願いしたんですよ。……怒る気はなかったんですけど、勘違いさせてしまったようですね。……リンさん。」
「え? 何? 怖い声出して。」
「友達との会話ではないのですから、もう少し口調に注意しなさい。」
「ホント、氷山先生って厳しいよね。」
「……リンさん、僕の話を聞いていたんですか。」
「そんな怖い声出さなくても、聞いてました-。分かりました-。」
「その言い方もちょっと気にはなりますが、まあ、いいでしょう。……それよりも、遊びに行くと言っていましたが、あまり遅くならないうちに帰るんですよ。」
「はーい。」
画像が消える。
「本当に分かったんでしょうか……。」
溜息をつく先生。
暗転。
休む間もなく、今度はミクから電話が来る。リンとは違い、丁寧な口調。
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ボーカロイドは、ボーカル・アンドロイドの略だと知った後、ボカロ達は人間じゃなかったのか、じゃ、電話内蔵とかどうよって思ったのを唐突に思い出したので、それを再現してみる動画。